調べて書く文章がある。あてずっぽうで行き当たりばったりで資料を集めて、なんとか締め切りに間に合わせる。いつもそんなことでいいのだろうかと反省を繰り返す。
宮内泰介『自分で調べる技術』は、そんな人にオススメ。
本の目玉の一つが、官僚主義を絵で書いたような悪名高き国会図書館の活用法だ。一度でもここに調べもので出かけた人なら、カフカの「城」に入ってしまったと悔やんだことだろう。その「城」をインターネットで簡単に自分の書庫にしてしまう方法がこの本には書かれている。
いつも反省ばかりしてきた私もさっそく試してみた。国会図書館が所蔵する雑誌のバックナンバーの記事検索でき、そのコピーが郵送されてきて、代金は後から「振込み可」なのだ。それに料金も高くない。文献調査やフィールドワークでデータを集め、それを発表するまでの手法が紹介された本はこれまでもあった。でも、こんなに手軽にできるものかと思わずにはいられないのがこの本だ。
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