■添削前
ねぎラーメンは、二人三脚が隠し味
仙台の繁華街、一番町通りから少し入った路地の一角に、知る人ぞ知るおいしいラーメンがある。「お父さん、お母さん」とお客に慕われる夫婦が営む小料理屋、「ぶんぶん」のねぎラーメンだ。
「ぶんぶん」は、カウンターに6〜7人座れば一杯になってしまう小さな店だ。店の内外には、お父さん手描きの豆凧や提灯が飾られ、白熱電球の温かい光が店全体を包む。カウンター越しに二人の顔を見ただけで、こちらまで笑顔になってくる。ねぎラーメンは、「ぶんぶん」の看板メニューの一つ。魚と鶏をベースにしたスープはあっさりしているが深い旨みがあって、いくら飲んでも飽きがこない。
「時間かけてお父さんが仕込んでるから。よくできた日のスープは本当に黄金色なのよ」とお母さんは言う。スープへのこだわりは並ではない。真夏は「スープが濁るから」という理由で、ラーメン自体がメニューから消えてしまうほど。それもそのはず、お父さんは以前、帝国ホテルに勤めていたほどのフレンチの料理人だった。味に妥協はない。自信のあるスープだけを出すから、数にも限りがある。「知る人ぞ知るラーメン」のゆえんが、ここにある。
ラーメンを仕上げる担当はお母さん。注文が入ると手際よく麺を茹で上げ、熱いスープをはり、特製のピリ辛ダレで和えた白髪ねぎをこんもりと乗せる。アツアツの丼をカウンター越しに渡される。伸びないうちに食べたいが、全部食べてしまうのが惜しい…。そんな葛藤を感じながらも、私の箸は止まらないのだ。
|
■添削後
黄金色のスープの隠し味
仙台の繁華街、一番町通りから少し入った路地の一角に、知る人ぞ知るおいしいラーメンを出す店がある。「お父さん、お母さん」とお客に慕われる夫婦が営む小料理屋、「ぶんぶん」だ。
「ぶんぶん」は、カウンターに6〜7人座れば一杯になってしまう小さな店である。店の中にも外にもお父さん手描きの豆凧や提灯が飾られ、白熱電球の温かい光で店全体が包まれている。仕事帰りにふらっと立ち寄ると、「遅くまでお疲れさん」とお母さんが明るく声をかけてくれる。二人の笑顔を見ると、何だか故郷に帰ったような気がして、心底ほっとする。
ねぎラーメンは、「ぶんぶん」の看板メニューの一つ。魚と鶏をベースにしたスープはあっさりしているが深い旨みがあって、いくら飲んでも飽きがこない。「時間かけてお父さんが仕込んでるから。よくできた日のスープは本当に黄金色なのよ」とお母さんは言う。スープへのこだわりは並ではない。真夏は「暑いとスープが濁るから」という理由で、ラーメン自体がメニューから消えてしまうほど。それもそのはず、お父さんはかつて、フレンチのシェフとして帝国ホテルで腕を振るっていた。味に妥協はない。自信のあるスープだけを出すから、数にも限りがある。「知る人ぞ知るラーメン」のゆえんが、ここにある。
ラーメンを仕上げるのはお母さん。注文が入ると手際よく麺を茹で上げ、熱いスープをはり、特製のピリ辛ダレで和えた白髪ねぎをこんもりと乗せる。アツアツの丼をカウンター越しに渡される。伸びないうちに食べたいが、ゆっくりじっくり、心ゆくまで味わいたい。そんな葛藤を感じながらも、私の箸は止まらない…。
|