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添削道場
添削道場では、一人の園生の文章を、学園長をはじめ他の園生たちが添削します。その添削の結果、文章はどのように変化するのでしょうか。今回は、与謝野鉄観音さんの文章「ねぎラーメンは、二人三脚が隠し味」を題材にしました。
テーマ:お気に入りの一品
文字数:600字
想定読者:文豪道学園の先生及び生徒
■添削前
ねぎラーメンは、二人三脚が隠し味

仙台の繁華街、一番町通りから少し入った路地の一角に、知る人ぞ知るおいしいラーメンがある。「お父さん、お母さん」とお客に慕われる夫婦が営む小料理屋、「ぶんぶん」のねぎラーメンだ。

「ぶんぶん」は、カウンターに6〜7人座れば一杯になってしまう小さな店だ。店の内外には、お父さん手描きの豆凧や提灯が飾られ、白熱電球の温かい光が店全体を包む。カウンター越しに二人の顔を見ただけで、こちらまで笑顔になってくる。ねぎラーメンは、「ぶんぶん」の看板メニューの一つ。魚と鶏をベースにしたスープはあっさりしているが深い旨みがあって、いくら飲んでも飽きがこない。

「時間かけてお父さんが仕込んでるから。よくできた日のスープは本当に黄金色なのよ」とお母さんは言う。スープへのこだわりは並ではない。真夏は「スープが濁るから」という理由で、ラーメン自体がメニューから消えてしまうほど。それもそのはず、お父さんは以前、帝国ホテルに勤めていたほどのフレンチの料理人だった。味に妥協はない。自信のあるスープだけを出すから、数にも限りがある。「知る人ぞ知るラーメン」のゆえんが、ここにある。

ラーメンを仕上げる担当はお母さん。注文が入ると手際よく麺を茹で上げ、熱いスープをはり、特製のピリ辛ダレで和えた白髪ねぎをこんもりと乗せる。アツアツの丼をカウンター越しに渡される。伸びないうちに食べたいが、全部食べてしまうのが惜しい…。そんな葛藤を感じながらも、私の箸は止まらないのだ。

■添削後
黄金色のスープの隠し味

仙台の繁華街、一番町通りから少し入った路地の一角に、知る人ぞ知るおいしいラーメンを出す店がある。「お父さん、お母さん」とお客に慕われる夫婦が営む小料理屋、「ぶんぶん」だ。

「ぶんぶん」は、カウンターに6〜7人座れば一杯になってしまう小さな店である。店の中にも外にもお父さん手描きの豆凧や提灯が飾られ、白熱電球の温かい光で店全体が包まれている。仕事帰りにふらっと立ち寄ると、「遅くまでお疲れさん」とお母さんが明るく声をかけてくれる。二人の笑顔を見ると、何だか故郷に帰ったような気がして、心底ほっとする。

ねぎラーメンは、「ぶんぶん」の看板メニューの一つ。魚と鶏をベースにしたスープはあっさりしているが深い旨みがあって、いくら飲んでも飽きがこない。「時間かけてお父さんが仕込んでるから。よくできた日のスープは本当に黄金色なのよ」とお母さんは言う。スープへのこだわりは並ではない。真夏は「暑いとスープが濁るから」という理由で、ラーメン自体がメニューから消えてしまうほど。それもそのはず、お父さんはかつて、フレンチのシェフとして帝国ホテルで腕を振るっていた。味に妥協はない。自信のあるスープだけを出すから、数にも限りがある。「知る人ぞ知るラーメン」のゆえんが、ここにある。  ラーメンを仕上げるのはお母さん。注文が入ると手際よく麺を茹で上げ、熱いスープをはり、特製のピリ辛ダレで和えた白髪ねぎをこんもりと乗せる。アツアツの丼をカウンター越しに渡される。伸びないうちに食べたいが、ゆっくりじっくり、心ゆくまで味わいたい。そんな葛藤を感じながらも、私の箸は止まらない…。

≫作者の言い分
添削者谷崎漱一郎坂田汐見秋野湯
添削 by 谷崎漱一郎
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添削 by 坂田汐見
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添削 by 秋野湯
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〜作者の言い分〜

わたしはどうも、熟語を使いたがる傾向があるらしい。指摘をしていただいたものを挙げると「以前」「内外」「担当」など。もっと平易な(あ、また使ってしまった)、もとい、ストレートに意味を伝える言葉を使ったほうが読者も読みやすいし、ニュアンスも伝わりやすいのだということがよくわかった。

事実だけでなく理由を具体的に書くことも、読者に真意を伝える文章を書くために欠かせないと思った。「なぜこちらまで笑顔になってくるのか」を掘り下げて考えていたら、二人の笑顔と思いやりの言葉で故郷(の父母)を思い出すからだと気がついた(笑)。これはちょっとした発見。その気持ちをクローズアップしてリライトしてみた。

タイトルに「黄金色」を提案してくださった方が2名。「黄金色のスープ」は、読者の印象に残る言葉のようだ。ラーメンの味に隠されたお父さんの努力や、二人の人情味なども「隠し味」になっていることを伝えたいので、このようなタイトルにしてみた。

その他、細かい部分のちょっとした表現の違いで、印象がかなり変わってくるなあと思う。レベルアップできているとよいのだが。


補足:
残念ながら、現在「ぶんぶん」でねぎラーメンをいただくことはできません。9月に仙台へ出張へ行った際に寄らせていただいて確認しました。残念ですね。(報告者:秋野湯)

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