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添削道場
添削道場では、一人の園生の文章を、学園長をはじめ他の園生たちが添削します。その添削の結果、文章はどのように変化するのでしょうか。今回は吉沢翠さんの「謎の屁パワー」です。
テーマ:身辺雑記
文字数:400から600字
想定読者:普段本を読む中高年
■添削前
謎の屁パワー

 先日友人とドライブしていたら、道路脇に奇妙なものを見つけた(1)
 それはひろがる田んぼ(2)を背に十本ほど立てられた旗で、目の醒めるようなレモンイエローをしていた。
 しかし周囲の景色にまったくそぐわない奇抜な色の旗が立っていたからといって、奇妙とは言わない。問題はそこに書かれていた文字だ。
「尻パワー!?」
 私は思わず声に出してそれを読んだ。すると(3)すかさず友人が、「違うよ、屁パワーだよ」
 屁パワー!? それって何!?
 私たちは疑問に思いながらもそのままそこを通り過ぎ、車内はしばらくその話で盛り上がった。(4)
 友人は「最近の農業学会(そんなもんほんとにあるのか?)で人間の屁の中に作物の成長を促す物質が発見され、屁の力で稲を育てようという運動に違いない」と真顔で言い、私は「屁だったら環境にもよさそうだよね」と笑顔で応えた。
 友人と別れ(5)、家に帰った私は、早速先程(6)遭遇した奇妙な旗のことを家族に話した。母は爆笑し、父は新しい肥料の発見に感心していた。
 その時だった。脇でコーヒーを飲んでいた弟が「それってさあ、民パワーじゃないの? 市長選の」
 へ、市長選?
「そうだ、民パワーだよ、〇×民子のだよ」
 いつになく大きな声で父は言い、自分のコーヒーを持つとそそくさと自室へ退散した。(7)
 強風で読みづらかったとはいえ、民を尻と読み間違えた私、そしてそれを自信をもって屁と訂正した友人って……。
 類は友を呼ぶという諺が、絶句する私の脳裏を冷笑を浮かべながら通り過ぎていった。

■添削後
謎の屁パワー

 先日友人とドライブしていたら、奇妙なものが目に飛び込んできた。
 それは青々とひろがる田んぼを背に十本ほど立てられた旗で、目の醒めるようなレモンイエローをしていた。
 しかし周囲の景色にまったくそぐわない奇抜な色の旗が立っていたからといって、奇妙とは言わない。問題はそこに書かれていた文字だ。
「尻パワー!?」
 私は思わず声に出してそれを読んだ。すかさず友人が、「違うよ、屁パワーだよ」
 屁パワー!? それって何!?
 友人は「最近の農業学会(そんなもんほんとにあるのか?)で人間の屁の中に作物の成長を促す物質が発見され、屁の力で稲を育てようという運動に違いない」と真顔で言い、私は「屁だったら環境にもよさそうだよね」と笑顔で応えた。
 家に帰った私は、早速先ほど遭遇した旗のことを家族に話した。母は爆笑し、父は新しい肥料の発見に感心していた。
 その時だった。脇でコーヒーを飲んでいた弟が「それってさあ、民パワーじゃないの?市長選の」
 へ、市長選?
 ……。
 強風で読みづらかったとはいえ、民を尻と読み間違えた私、そしてそれを自信をもって屁と訂正した友人って……。類は友を呼ぶということわざが、絶句する私の脳裏を冷笑を浮かべながら通り過ぎていった。


添削 by 谷崎漱一郎、与謝野鉄観音、ゆうすけこ、秋野湯
(1)「見つけた」では対象物がどんどん近づいてくる感じになってしまうので。
実際は角を曲がったらすぐにそれがあったので、こちらに修正。
(2)田んぼの様子を明示することで、より鮮明に映像が浮かぶ文章に。
(3)接続詞をとることで即答した感じがでる。
(4)(5)なくても問題ないので削除。
(6)漢字が6つ連続してしまうので削除。
(7)この段落を入れると、文章全体のオチが父の態度になってしまい、ラストの「類は友を呼ぶ」と齟齬をきたすことになる。もしこの段落を入れるなら、ラストの「この父にしてこの娘あり」にならなくてはおかしい。よって段落ごと削除し、一同のきょとーんとした間を表す「……」に修正。
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